スプレードライ(噴霧乾燥)とは、微細化した液滴を熱風中に噴霧し、瞬時に溶媒を蒸発させて粉末を得る方法で、球状で流動性に富み、直打可能な粒子を製造できることが特長です。

富士化学工業では水に加えて、有機溶媒を用いたスプレードライも可能で、原薬の溶解性とバイオアバイラビリティ(生物学的利用能)を改善する固体分散体の製造や、粉体の物性改良・粒子コントロール等を実現する専門技術を有しております。

 

info

最近では多様なモダリティの噴霧乾燥応用を検討しております。今まで、凍結乾燥しか難しいと言われていた不安定な糖鎖、抗体等に関して、噴霧乾燥の実績があります。また、ワクチンに関しても検討を行っています。

お問い合わせフォーム

 

原薬の難溶性改善(有機溶媒系スプレードライ技術)

有機溶媒系スプレードライヤーの特長は、乾燥させる熱風に窒素ガスを用いることにより、可燃性である有機溶媒の乾燥が可能である点です。主に水には溶解しにくい難溶性薬物などを、有機溶媒に溶かしてスプレードライ加工するために利用されます。

 

粉体の物性改良等(水系スプレードライ技術)

水系スプレードライヤーでは溶媒に水が使われ、乾燥ガスに空気が使用され、入熱温度や排熱温度の調整等により、粒子の物性コントロールが可能です。医薬品、食品、化粧品、化成品など、幅広い分野のニーズに対応が可能です。

 

富士化学工業のスプレードライ技術

富士化学工業は1965年に水系(開放型)スプレードライヤー1号機を導入以来、自社の医薬品や賦形剤、健康食品の製造だけでなく、数多くのお客様に医薬品のスプレードライ加工サービスを提供してきました。

このサービスはDDSや難溶性薬物の吸収改善など、現代の医薬品ニーズに応えるポテンシャルを秘めています。また、連続かつ大量生産により、効率よく製造でき、コストパフォーマンスにも優れています。

世界的にも数少ない有機溶媒にも対応した設備を持ち、スプレードライ加工分野において、世界レベルでの製造許容量と、数十年に及ぶ経験とで開発初期段階から商業生産までサポート致します。

 

スプレードライ技術の可能性

富士化学工業は、溶媒に水を用いる開放型スプレードライヤーと有機溶媒を用いる密閉型スプレードライヤーの2つのタイプを保有しています。いずれも、少量の試作から商用生産まで対応可能です。この2タイプのスプレードライを用い、皆様が抱える問題解決に貢献します。

 

高い汎用性

  • ほとんどの溶液、スラリー、エマルジョンの噴霧乾燥が可能です。
  • 高い均一性を有する乾燥粉末に加工します。
  • 粒度、嵩密度、水分含量をダイレクトに調整することが可能です。

 

事業&生産の向上

  • パイロット生産からコマーシャル生産へのスケールアップが容易です。
  • 連続かつ大量生産が可能です。
  • 通常複数かかる造粒プロセスを、ひとつのプロセスで処理し、高いコストパフォーマンスを実現します。
  • 成形性や打錠性の向上が可能です。
    (生産効率の向上に貢献します。)

 

安定性の向上

  • 加熱時間が短いため、多くの薬物で熱変性が見られません。
  • 薬物を安定化することが可能です。

 

機能の付加

  • バイオアベイラビリティを向上させます。
  • コントロールリリースを実現します。
  • 苦味マスキングを実現します。
スプレードライ技術の特徴の記事一覧