原薬・中間体の受託合成|少量からコマーシャル製造のGMP・FDA対応設備

富士化学工業では、年間1,000トン以上の原薬を製造しており、中間体から原薬に至るGMPプロセスを中心とした受託サービスを、国内外の製薬メーカーに提供しています。

受託製造は、マルチパーパスプラントである有機第1、2、5棟、試作棟で行い、cGMPに準拠して対応しております。75~9,000Lの反応缶に加え、超低温反応に対応した反応缶、6,000Lまでのオートクレーブも保有しています。

また、原薬製造のためにクラス100,000のクリーンルームを完備した原薬精製設備を整えており、製造量により、300L~6,000Lのスケールに対応した3系統の設備を提供することができます。

少量試製からコマーシャル生産まで様々なサイズや各種反応におけるお客様のご要望にお応えします。

受託製造の特徴

  • cGMPに対応した多様なマルチパーパス設備
    →75L~9,000L 合計47基の反応缶を保有
    (GMP対応のガラス機器を20Lより保有)
  • 3系列の精製設備(Class 100,000)
    →300L~6,000Lクラスの晶析
  • 大型乾燥機、自動遠心分離機
    →ナウタ型 2000L、コニカル型 5000L、ハインケル製横型 24inch
  • パイロット設備
    →ラボからコマーシャルスケールへスムーズな移行
  • 低温反応やRaney Niといった特殊反応に対応
    →低温(–80 ℃)、水添(0.8MPa)対応設備

 

水添・超低温反応設備

  • 反応缶サイズ
    →300L(ハステロイ)、1,500L(GL)
  • 酸性物質や酸性条件下での水添反応が可能
  • マックスブレンド型の撹拌翼
    →優れた固体分散性、通気特性により水添反応で効果を発揮。
  • 0.8MPaまでの加圧下、また酸性条件下の反応に対応。Pd/C、Rh/C 、RaneyNi等の各種触媒を用いた水添反応実績あり。
  • -80℃までの低温下反応が可能。BuLiを用いる低温反応の豊富な実績あり。

水添・超低温反応設備

 

製造実績

種類 反応名
アルキル化反応 鈴木・宮浦反応、Wittig反応、Friedel-Crafts反応、Grignard反応、Michael付加反応
ハロゲン化 臭素化、ヨウ素化、フッ素化(NaF、KF)、塩素化
酸化反応 過酸化物酸化、Swern酸化、SO₃・Py酸化、TEMPO酸化
還元反応 接触⽔添反応(Pd、Rh、Ni)、Wolff-Kishner還元、NaBH₄還元、BH₃還元(内部発生法)、ヒドラジン還元、Vitride還元
低温反応 アルキルリチウム(n-BuLi)や、LDAを⽤いたリチオ化を経由したアルドール付加、臭素化、ホウ素化反応
アミド化反応
(ペプチド合成)
MA法、WSCなど各種縮合剤を用いた反応
スルフィド化 メルカプタンやチオフェノールを⽤いた反応
その他 クロロスルホン酸による芳⾹族のクロロスルホン化反応、ホルミル化反応、光学分割、Reformatsky反応、Buchwald-Hartwig反応、光延反応

 

設備概要

有機第1棟

FDA 査察対象のマルチパーパスプラントです。4,000~6,000Lの主要反応缶を取り揃え、比較的大きいスケールでの受託製造を実施しています。また、クリーンルームを完備しており、治験薬の精製にも対応しています。

有機第一棟

 

反応缶容量 反応缶数 遠心機 乾燥機
600~6,000L 14基 7基 1基

 

有機第2棟

FDA 査察対象のマルチパーパスプラントです。主に2,000~3,000Lの主要反応缶を取り揃え、比較的中程度のスケールの受託製造を実施しています。

有機第二棟

 

反応缶容量 反応缶数 遠心機
100~5,000L 13基 4基

 

有機第5棟

2007年建設の製造施設でクロスコンタミネーションを完全に防止する設計になっています。2,000~9,000Lの反応缶を設置し、大量スケールでの生産に対応します。

有機第5棟

反応缶容量 反応缶数 遠心機 乾燥機
2,000~9,000L 7基 2基 3基

 

乾燥棟

FDA査察対象の結晶の乾燥設備です。各乾燥室は完全に区切られ、クロスコンタミネーションの心配はありません。また、原薬の乾燥のためのクリーンルームも完備しています。

乾燥棟

乾燥機
4基

 

試作棟

少量試製からパイロット試製に対応した施設です。超低温反応や高温反応など、特殊な反応はここで実施します。cGMP 対応施設であり、主に治験薬製造を実施しております。

試作棟

反応缶容量 反応缶数 遠心機 乾燥機
75~1,500L 9基 3基 2基

 

有機精製棟

クラス100,000のクリーンルームを完備し、最終原薬の精製工程に対応。日本で最大級の晶析缶(6,000L)を完備しており、注射剤用原薬の製造も行っています。

有機精製棟

反応缶容量 反応缶数 遠心機 乾燥機
300~6,000L 5基 2基 3基

 

粉砕機

形式 材質 仕様
ランデルミル
(整粒機)
SUS 50~500kg/h
アトマイザー
(微粉砕機)
SUS 50~150kg/h
ターボスクリーナー
(振動篩器)
SUS 100~500kg/h